事態が動き出したのは健康診断でのスクリーニング検査だった。本人も予期せぬタイミングで判明した食道がんは、幸いにも早期発見の段階にあった。しかし、声帯や呼吸器官に近接する部位の病であるだけに、歌手としてのキャリアを揺るがしかねない重大な局面であったことは間違いない。
病名を告げられた際、彼は動揺を隠しながらも即座に治療計画を立てたという。周囲やファンに余計な心配をかけたくないというプロ意識から、手術は極秘裏に進められた。執刀にあたった医療チームと密に連携を取り、声帯への影響を最小限に抑える高度な内視鏡手術が選択された。奇跡的とも言える迅速な対応が、その後の歌声維持へ大きく寄与することとなったのである。