池内万作のルーツを辿ると、日本の映画史そのものに突き当たる。父・伊丹十三だけでなく、祖父は日本映画の草創期を支えた鬼才監督・伊丹万作だ。血脈の中に芸術のDNAが濃密に流れていることは疑いようもない。
しかし、彼は若き日にあえて日本を離れ、ロンドンへと留学した。現地で音楽や演劇の基礎を学び、異国の地で自身が「何者であるか」を模索したという。二世タレントというレッテルがつきまとう日本の芸能界から物理的に距離を置き、自らのアイデンティティをニュートラルな環境で鍛え直した経験が、現在の揺るぎない演技力につながっている。