南果歩の人生における最初の大きな転機は、作家でありミュージシャンとしても知られる辻仁成との結婚だった。表現者同士の刺激的な出会いから生まれたこの結びつきは、当時メディアでも大きく取り上げられた。二人の間には男児が誕生。クリエイティブな才能が交錯する家庭環境は、彼女の女優としての感性をより一層深めることとなった。
やがて二人はそれぞれの道を歩むことになったが、息子を育てる母としての経験は、後の演技に計り知れない奥行きを与えた。NHKの大河ドラマをはじめとする数々の名作で見せた繊細な感情表現には、この時期に培われた人間味が色濃く反映されている。