事件の引き金となったのは、捜査関係者からの極秘リークだった。厚生労働省の「マトリ」こと関東信越厚生局麻薬取締部と、警察庁・警視庁組織犯罪対策部が長年にわたり蓄積してきた密売ルートの行動確認データが、ある著名人の逮捕を機に一気に線でつながったという。当局が狙いを定めるのは単独の所持にとどまらず、プライベートな集まりやサロンを介した「連鎖逮捕」の網だ。
この捜査の進展によって、まさに公開を目前に控えていた大型未発表映画の現場では大混乱が生じた。出演キャストの逮捕リスクを察知した出資幹部らは、土壇場で該当キャストの極秘降板を決定。数千万円規模の追加予算を投じて代役による全面撮り直しへ踏み切るという、異例の事態に追い込まれたのである。スクリーン裏で繰り広げられたこの降板劇は、業界におけるコンプライアンスの最前線が直面する危機的状況を如実に物語っている。