物理的な事務所という「顔」を失ったことは、組員の質的変化をもたらしている。武闘派として名を馳せた古参組員が影を潜める一方、ITリテラシーが高く、表社会の経済活動に巧みに入り込む若手層が台頭しつつある。彼らは武力ではなく、データや金融スキームを武器にして組織内で発言力を強めている。
捜査当局が懸念しているのは、こうした若手層が従来のヤクザの枠組みを脱し、国際的な詐欺グループやハッカー集団と結託するケースだ。「事務所に集まって盃を交わす」という伝統的なヤクザ像は消え去り、極めてドライで実利主義的なビジネスネットワークへと変貌を遂げつつある。