豪州とNzの国旗はなぜ酷似?一瞬で見分ける違いと歴史論争の真相

豪州とNzの国旗はなぜ酷似?一瞬で見分ける違いと歴史論争の真相

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こうした国際的混同の解消と、イギリス植民地時代の残像からの完全な脱却(先住民族マオリとの調和)を目指し、ニュージーランドは歴史的な国家プロジェクトを敢行しました。それが2015年から2016年にかけて実施された国旗変更国民投票です。

当時のジョン・キー首相が主導したこの国民投票には、総額約2,600万ニュージーランドドル(当時の為替レートで約20億円)という莫大な公金が投じられました。公募された1万点以上の候補作から最終候補に選ばれたのは、ラグビー代表「オールブラックス」の象徴としても世界的に有名なシダの葉を配した「シルバーファーン旗(黒・青・白に赤の南十字星)」でした。

しかし、2016年3月に開票された最終決選投票の結果は、世界を驚かせました。

  • 現行国旗を支持:56.6%(120万8,702票)
  • 新国旗案(シルバーファーン)を支持:43.2%(92万3,354票)

過半数が現行国旗の維持を選んだ背景には、「歴代のニュージーランド兵士がこの旗のもとで戦場で血を流してきた」という退役軍人会を中心とする強い伝統への敬意がありました。同時に、「20億円もの税金をかけて変更する理由が希薄である」という経済的・政治的批判が世論を二分した結果でした。

その後、2020年代半ばから2026年に至る現在においても、ニュージーランド国内で国旗変更の火種が完全に消えたわけではありません。マオリ族の主権運動の活発化や、英国王チャールズ3世の即位を契機とするイギリス連邦(コモンウェルス)内での立憲君主制見直しの機運に伴い、「いずれは独自の新国旗へ舵を切るべきだ」という議論は静かに燻り続けています。一方のオーストラリアでも、共和制移行論争とセットで国旗変更が論点に挙がるものの、莫大なコストと国民的合意形成の難しさから、現行のデザインが維持され続けています。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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