日本におけるタトゥーの法的地位を大きく変えたのが、2020年9月の最高裁判所第2小法廷による判決です。長年議論されてきた「医師免許を持たない彫師によるタトゥー施術は、医師法第17条(無免許医業の禁止)に違反するか」という争点に対し、最高裁は「タトゥー施術は医療を目的とする行為(医行為)ではなく、美術的な装飾・表現行為である」として無罪を言い渡しました。
この歴史的判決により、彫師という職業が法的に認知される道が開かれました。しかし、法的に「無免許医業ではない」と認められたことと、「無秩序な営業が許される」ことは同義ではありません。現在、業界団体による衛生管理ガイドラインの策定や、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)の使用、ディスポーザブル(使い捨て)針の徹底など、自主的な安全基準の整備が進められています。