滋賀の美食文化を語るうえで、日本三大和牛の一つに数えられる近江牛を外すことはできません。約400年の歴史を持ち、かつて彦根藩が徳川将軍家へ「養生薬」として味噌漬けの牛肉を献上していた史実が残るほど由緒あるブランド牛です。きめ細やかな霜降りと融点の低い上質な脂、赤身肉の豊かな芳醇さが特徴です。
しかし、ブランド牛にありがちな「価格高騰と質の乖離」を懸念する旅行者も少なくありません。ネット上の一部レビューには「観光地価格で割高だった」「脂が重すぎた」という不満も散見されます。調査の結果、失敗しない近江牛選びには明確な基準が存在することが判明しました。最高峰のサーロインステーキを有名老舗店でフルコースとして注文すると夜間は1人あたり15,000円〜25,000円に達しますが、地元の老舗精肉店が直営するレストランのランチタイムやすき焼き御膳を選択すれば、3,800円〜6,500円の範囲で極上の肉質を味わえます。A5ランクの霜降りに偏らず、赤身の旨みが強いランプやイチボを指名できる店舗を選ぶのがツウの楽しみ方です。
一方、王道観光地の人混みを避けてゆったり過ごしたい旅人には、地元民が太鼓判を押す滋賀観光の穴場スポットが点在しています。甲賀市信楽の山中に忽然と現れる「MIHO MUSEUM」は、世界的建築家I.M.ペイが設計した桃源郷を想わせる美術館。桜や新緑に包まれるアプローチトンネルの造形美は、世界中の一流アート愛好家を惹きつけています。
また、大津市の湖岸に突き出た形で佇む「浮御堂(満月寺)」は、近江八景「堅田の落雁」として知られる隠れた名勝です。湖面に浮かぶ仏堂の縁側に立てば、湖上を渡る心地よい風とともに水と空の境界が溶け合うような錯覚を覚えます。さらに東近江市に位置する「百済寺」や「百済寺・金剛輪寺・西明寺」からなる湖東三山は、秋の紅葉期のみならず新緑の季節にも深い静寂と日本の原風景を提供してくれます。