イ・ビョンフン監督が手掛けた名作『宮廷医官への道(原題:許浚)』や、キム・ジュヒョク主演の『ホジュン〜伝説の心医〜』の最終回では、朝廷の権力闘争から身を引いたホ・ジュンが故郷近くの山村で無料診療所を開き、民衆の救済に余生を捧げる姿が描かれました。
ドラマの結末では、突如として村を襲った疫病の治療に不眠不休で挑み、特効薬を民に投与し終えた直後、鍼を手にしたまま息絶えるというドラマチックな演出が採用されています。視聴者に深い感動を与えたこのフィクションは、ホ・ジュンが生涯貫いた「医の道」の精神性を象徴的に表現したものでした。
しかし史実におけるホ・ジュンは、晩年まで朝廷の重臣として王室の信任を受け続け、漢陽(現在のソウル)周辺で医学研究と後進の育成に尽力していました。民衆医療の普及に情熱を注いだことは事実ですが、山野に隠棲して野垂れ死ぬような最期を迎えたわけではなく、国家的な最高医学指導者としての栄誉を保ったまま生涯を閉じたのです。