1990年、ゲームフリークが任天堂へ提出した初期企画書『CAPSULE MONSTERS(カプセルモンスター)』。その表紙に記されたコンセプトは、「RPGの収集・育成要素に、プレイヤー同士の直接交換を掛け合わせる」という当時としては極めて革新的なものでした。
ゲームボーイの通信ケーブルを見た田尻智氏は、自著や当時のメディアインタビューにおいて「単なる対戦だけでなく、相手と自分のデータをやり取りするパイプとして使えないか」と直感したと振り返っています。東京・町田の豊かな自然のなかで過ごした少年時代の昆虫採集体験――友達とクワガタを見せ合い、珍しい虫を交換した原体験が、電子のモンスターをやり取りする画期的なゲームデザインへと結実しました。
さらに、特撮ドラマ『ウルトラセブン』に登場する「カプセル怪獣(ウインダム、ミクラス、アギラ等)」からの着想も公言されています。主人公のモロボシ・ダンが小さなカプセルを投げて怪獣を召喚するギミックは、田尻氏をはじめとする開発陣の心に深く刻まれており、「小さなケースから巨大な仲間が現れるワクワク感」を携帯型ゲーム機で再現する動機となりました。