今年の千鳥ヶ淵は、天候の推移とともに一気に開花が進んだ。約260本に及ぶ桜の木々が濠を覆うように咲き誇り、水面へ向かって垂れ下がる巨大な枝ぶりは、他では決して味わえない立体的な景観を作り出している。
頭上を覆い尽くすピンクの花屋根。足元には深く静かな北の丸濠の水面。風が吹くたびに花びらが宙を舞い、水面に広がっていく。その光景は、ただ歩いているだけでも時間を忘れさせるほどの没入感をもたらす。
現地を訪れると、カメラを構える外国人観光客や、仕事帰りに足を止めるビジネスパーソンの姿が目立つ。世代や国籍を問わず、誰もが同じ空を見上げ、感嘆の声を漏らしているのが印象的だ。