世界で一番画数が多い漢字は?84画たいとや幻の128画の真相に迫る

世界で一番画数が多い漢字は?84画たいとや幻の128画の真相に迫る

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一方、実用性を持つ文字として圧倒的な知名度を誇るのが、中国陝西省の麺料理「ビャンビャン麺」の「ビャン」です。標準的な中国語の辞書『新華字典』には長らく掲載されていませんでしたが、2020年に国際規格Unicode 13.0(CJK統合漢字拡張G)に正式登録され、デジタル機器での処理ルートが開かれました。

この文字の由来には、科挙の試験に落ちて路頭に迷っていた貧しい秀才が、西安の麺屋で腹を満たしたものの代金が払えず、「店の看板に複雑な文字を考案して書くことで支払いの代わりにした」という痛快な民間説話が残されています。「ビャン」という音自体は、平たい生地を調理台に叩きつけて伸ばす際に出る「ビャンッ、ビャンッ」という擬音から命名された生活に密着した言葉です。

現地では、この極めて複雑な字順を間違えずに書くための「覚え歌」が子供の頃から口伝で親しまれています。

「黄河のほとりの穴(宀)のなか、言葉(言)の多いお父さん。糸(糸)を左右に垂らしつつ、長い(長)長い(長)と嘆息す。真ん中に馬(馬)を立たせ、心(心)安らかに月(月)を愛で、刀(刂)と矛(戈)を手に八(八)歩進み、車に乗って道(辶)を行く」

このように部首ごとにストーリーを組み立てることで、50画を超える複雑な文字であっても澱みなく筆を走らせることが可能になります。庶民の言葉遊びと造字の面白さが融合した傑作と言えます。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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