ネット検索で手に入るフリー素材に関して、現場の広報担当者が信じ込んでいる「安全神話」の中には、法的に極めて危うい誤認が多数存在します。
最も危険な誤解が、「インターネット上の画像検索で見つけた素材でも、文字を入れてプリントアウトして配るだけなら私的利用の範囲内」という認識です。著作権法における「私的使用のための複製」は、家庭内やそれに準ずるごく限られた範囲にのみ適用されます。不特定多数の保護者へ配布するプリントや、待合室という公の空間に掲示する行為はすべて「公衆への伝達」にあたり、無断転載・無断使用の民事損害賠償請求の対象となり得ます。
さらに2026年現在、注意を払うべきは画像生成AIによって作られた素材の扱いです。「AI生成だから著作権フリー」と謳って配布されている非公式サイトの画像の中には、既存のアニメキャラクターや特定イラストレーターの作風を無許諾で追加学習(LoRA等)させたモデルによる出力品が紛れ込んでいます。こうした素材を院内ポスターに使用した場合、元の著作権者から権利侵害を主張され、医療機関としての社会的信用を失墜させるリスクを孕んでいます。公式の運営元が明確で、権利侵害に対する補償規定(インデムニティ条項)を設けている信頼性の高いプラットフォームからダウンロードすることが不可欠です。