隠岐はかつて、高貴な人々が流された「遠流(おんる)の島」でもあった。後鳥羽上皇や後醍醐天皇といった歴史上の重要人物がこの地で暮らし、都の洗練された文化を島に伝えた。そのため、辺境の島でありながら、驚くほど豊かで格式高い伝統芸能や祭礼が今も大切に受け継がれている。
なかでも、後鳥羽上皇を慰めるために始まったとされる「古典相撲」や、牛同士が角を突き合わせる「牛突き」は、今も島民の血を沸き立たせる一大イベントだ。敗者をただ切り捨てるのではなく、互いの健闘を称え合う島ならではの温かい精神が、そこには息づいている。