この四字熟語の起源を紐解くには、紀元前202年の古代中国へと時間を巻き戻す必要がある。覇権をかけた戦いの最終局面、それが「垓下の戦い」だ。圧倒的な武勇を誇った楚の武将・項羽は、宿敵である劉邦率いる軍勢によって垓下の地に包囲され、防衛線の崩壊と食糧難に喘いでいた。
ある夜、包囲陣の四方から聞こえてきたのは、故郷である楚の国の歌であった。敵陣から響き渡る郷愁のメロディ。これを聞いた項羽は、「漢はすでに楚の地を占領してしまったのか。なんと楚の人間がこれほど多いことか」と絶望した。追い詰められた楚軍の兵士たちは戦意を喪失し、次々と脱走。孤立無援となった武将の悲痛なエピソードこそが、詳細な語源解説として今に語り継がれている。