「子供が道路で遊んでいるだけなのだから、警察や法律は関係ない」という主張は、法的には全く通用しません。日本の現行法において、道路での危険な遊戯や迷惑行為は明確な違法性を帯びています。
第一に問われるのが道路交通法第76条第4項第3号の規定です。同条文では「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、又はこれに類する行為をすること」が禁止されており、違反した場合には3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金という刑事罰が定められています。「うちの前の道路は抜け道ではないから交通頻繁ではない」と言い逃れをする親もいますが、過去の判例や警察の運用基準では、1時間に数台の車両往来であっても、見通しの悪い住宅街の路地であれば「危険性がある」と判断され、指導・警告の対象となります。
また、民事上および刑法上の責任も極めて重篤です。他人の自動車や住宅の外壁にボールをぶつけて破損させた場合、刑法第261条の「器物損壊罪」(故意がある場合)や、民法第709条に基づく「不法行為による損害賠償責任」が発生します。子供に責任能力がない年齢(おおむね12歳未満)であっても、民法第714条の規定により、親権者である保護者が監督義務を怠ったとして全額の賠償責任を負うのが判例の確立した立場です。