スタイルとは歴史と物語の積み重ねだ。コルセットから女性を解放し、ジャージー素材や黒をモードの域に引き上げたココ・シャネルの革命は、服が単なる防寒具ではなく強固な自我の表明であることを証明してみせた。
メディアが及ぼす影響力も無視できない。ファッション誌の過酷な舞台裏を描いた映画『プラダを着た悪魔』では、一見気まぐれに選ばれた青いセーターが、実はトップクリエイターたちの選択の連鎖によって生まれた流行の産物であることが描かれ、観客に強い衝撃を与えた。
そして現在、時代のトレンドを生み出す源泉は劇場からストリーミング画面へと移っている。Netflixで配信される人気作品の衣装が、一夜にして世界中の若者の着こなしを変える現象も珍しくない。
日本に目を向ければ、俳優の菅田将暉が見せるヴィンテージとハイブランドを自在に横断する着こなしが、世代のファッション観を大きく塗り替えた。ルールを軽々と飛び越える彼の佇まいは、既成概念を打破する新しいスタイルの旗印となっている。