SNS上では「ドンキでクレストのテープを買った」「近くのドラッグストアに売っていた」といった投稿が散見されます。しかし、綿密な流通調査を行うと、これらは完全な事実誤認であることが判明しています。
結論から言えば、クレストホワイトニングシートのドンキ販売状況は「取り扱いなし」です。ドン・キホーテやマツモトキヨシなどの国内店頭に並んでいるのは、クレストに似たパッケージを採用した過酸化水素フリーの国産シートや、ポリリン酸や炭酸水素ナトリウムを主成分とするステイン除去シートに過ぎません。本物の過酸化水素含有クレスト製品が国内の棚に並ぶことは法的にあり得ない構造になっています。
その背景にあるのが、クレストホワイトニングシートと薬機法の厳格な壁です。日本の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」では、過酸化水素を配合した製品は劇物および歯科医師の診断下でのみ使用可能な医薬品・医療機器として厳密に区分されています。家庭用として自由に販売できる医薬部外品や化粧品に対しては、過酸化水素の配合は認められていません。
そのため、本製品を入手する唯一の正規ルートはクレストホワイトニングテープの個人輸入となります。厚生労働省が定める個人輸入のガイドラインに基づき、個人が自身で使用する目的に限り、海外から直接取り寄せる行為自体は合法とされています。しかし、これをフリマアプリや国内オークションで転売・譲渡する行為は、薬機法違反(無許可医薬品の販売)として刑事罰の対象となる重罪です。「手軽にフリマで買った」という行為そのものが、違法取引に加担しているリスクをはらんでいます。