なぜここまで嵐の札幌公演が語り継がれるのか。その理由は、過去に残した圧倒的な実績と数字の大きさにあります。2008年の「ARASHI Marks 2008 Dream-A-live」で初めて札幌ドームのグラウンドに立って以来、グループは2019年まで12年連続で札幌ドーム公演を敢行。これは同球場における単独アーティストとしての最多連続記録であり、まさに金字塔でした。
嵐の5大ドームツアーにおいて、札幌ドームは初日を飾る開幕地として設定されるケースが多く見られました。歴代のツアースケジュールを振り返っても、11月中旬の金曜・土曜・日曜という日程が恒例化しており、この時期は本来、北海道観光において紅葉が終わり雪まつり前という「最大のオフシーズン」にあたります。
その閑散期に、1公演あたり5万3,000人、3日間で約16万人近い観客が詰めかけ、その半数以上が首都圏や関西、九州から訪れる道外遠征組でした。飛行機は満席、札幌市内のホテルは軒並み満室となり、ススキノの居酒屋から新千歳空港の土産物店に至るまで、嵐のメンバーカラーに彩られた商品が飛ぶように売れました。当時の地元紙や経済研究所の試算でも、わずか週末の3日間で30億円から40億円を超える直接・間接的な経済波及効果が生み出されていたと報告されています。行政や観光事業者が「あの熱狂をもう一度」と切望する背景には、この規格外の数値体験があったのです。