無精子症は見た目でわかる?精液の色や量では判別できない衝撃の真相

無精子症は見た目でわかる?精液の色や量では判別できない衝撃の真相

無精子症は見た目でわかる?精液の色や量では判別できない衝撃の真相について押さえておきたい 事実を厳選して解説いたします。

精液そのものの外見から精子の有無を察知することはできませんが、実は「陰嚢(睾丸の袋)や精巣の見た目・感触」には、男性不妊のリスクを告げる極めて重大な身体のサインが隠されています。自覚症状に乏しい男性不妊の初期症状において、唯一とも言えるセルフチェックの要所がここにあります。

まず確認すべきは、精巣の大きさチェックです。泌尿器科の診察室では「オーキドメーター(精巣測定器)」と呼ばれる木製やプラスチック製の楕円形ビーズを用いて体積を計測します。日本人成人男性の正常な精巣体積は一般に15〜20ml以上(長径約4〜5cm、ウズラの卵より明らかに大きく、Mサイズの鶏卵より一回り小さい程度)とされています。もし自身の精巣に触れてみて、明らかにウズラの卵サイズ以下、あるいは体積にして10ml未満しかないと感じる場合、精子を作る精細管組織そのものが萎縮している非閉塞性無精子症や、重度の乏精子症のリスクが疑われます。

もうひとつ、肉眼で確認できる決定的な異常が「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」です。一般男性の約15%、男性不妊を訴える患者の約30〜40%に認められる極めて頻度の高い疾患であり、外見上、次のような特徴を示します。

  • 陰嚢の皮膚に浮き出る血管の鬱血:立ち上がって腹圧をかけた際、陰嚢の左側を中心に、ボコボコとしたミミズ腫れのような血管の塊(英語で「Bag of worms=ミミズの詰まった袋」と形容される)が目視できる。
  • 精巣の左右差と下垂:静脈の逆流によって血液が鬱滞し、片側の睾丸(特に左側)が異常に垂れ下がっていたり、左右で大きさに明らかな違いが生じている。
  • 局所の鈍痛や熱感:入浴後や長時間の立ち仕事の後に、陰嚢周辺に重だるい鈍痛や違和感を覚える。

精索静脈瘤を放置すると、逆流した血液によって精巣内の温度が上昇し、活性酸素の発生によって精子を育てる機能が徐々に破壊されていきます。精液の色を眺めて一喜一憂するよりも、明るい場所で鏡の前に立ち、陰嚢に異常な血管の隆起がないか、精巣が極端に小さく硬直(または異常に軟化)していないかを確認することこそが、有益なスクリーニングになります。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。