【真相】ディズニー「シンドバッドの冒険」旧版はなぜ怖すぎた?名曲誕生の秘密

【真相】ディズニー「シンドバッドの冒険」旧版はなぜ怖すぎた?名曲誕生の秘密

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2001年9月4日、東京ディズニーシーのグランドオープンと同時に産声を上げたのが、前身アトラクションである「シンドバッド・セブンヴォヤッジ」でした。当時のパーク全体のコンセプトは「大人の知的好奇心を刺激する冒険とロマンスの海」。その思想を色濃く反映した同アトラクションは、千夜一夜物語(アラビアンナイト)に記されたシンドバッドの航海記を驚くほど忠実に、かつ陰鬱なリアリズムをもって再現していました。

船が進むにつれて待ち受けていたのは、薄暗い洞窟に響き渡る不気味な叫び声、骨が散らばる浜辺、人間を威嚇する巨大な怪鳥ルフ、そして威圧的な唸り声を上げて檻を揺らす巨大な単眼の巨人でした。シンドバッドの表情も精悍を通り越してどこか険しく、敵対する盗賊たちとの緊迫した戦闘シーンが連続していたのです。当時の乗船記録や来園者のアンケート調査、当時のネット掲示板のログを振り返ると、「薄暗くて重苦しい」「幼児が恐怖で硬直した」「ディズニー特有の明るさが皆無で怖い」といった悲鳴に近い声が多数寄せられていました。

開園から数年を経て、運営元のオリエンタルランドおよびディズニーのイマジニアたちは大きな戦略的転換を迫られます。大人向け路線一本槍ではリピート需要とファミリー層の定着に限界が生じることが判明したためです。特にアラビアンコースト奥地に位置する大型ライドの稼働率低下は看過できない課題でした。子どもからシニアまで誰もが笑顔で楽しめる体験価値へのシフトを決断し、2006年9月をもって旧版の航海は静かに幕を下ろしました。約半年のクローズ期間を経て、ストーリーの根底にあるテーマ性を「富や財宝を奪い合う冒険」から「人と心の絆を見つける旅」へと180度転換する大規模改修が断行されたのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。