スマホがない時代の待ち合わせや連絡はどうしてた?昭和平成の知恵と実態

スマホがない時代の待ち合わせや連絡はどうしてた?昭和平成の知恵と実態

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ネット上のレトロブームや回顧録では「スマホがない時代は心温まる交流があった」「不便だからこそのんびりしていた」といったノスタルジーが強調されがちです。しかし、客観的な事実を検証すると、手放しで美化できない過酷な現実やトラブルも日常的に多発していました。

第一の盲点は、「すれ違いによる膨大な時間の浪費と金銭的損失」です。急な電車の遅延や体調不良が起きても相手に知らせる術がないため、寒空の下で相手が来るかどうかもわからず2時間待ち続けた結果、合流できずに帰宅するといった悲劇は日常茶飯事でした。仕事の現場でも、外出中の営業マンへの連絡がつかず商談機会を逸失するケースが頻発していました。

第二の盲点は、「プライバシーの脆弱性と強固な同調圧力」です。個人の連絡先が存在しないため、学校の連絡網では自宅の電話番号や住所がクラス全員に配られ、名簿が流出することも防げませんでした。また、友人からの電話を親に立ち聞きされたり、居留守を使うことへの罪悪感が生じたりと、現代とは異なる息苦しさも確実に存在していました。

スマホのない暮らしには、人間関係の密度が高まるメリットがあった反面、物理的な拘束や理不尽なトラブルを耐え忍ばなければならないという大きなデメリットも内包されていたのです。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。