真矢みきさんの若い頃が今もなお伝説として語られる決定打となったのが、在団中に成し遂げた2つの前代未聞のプロジェクトです。その筆頭が、1997年に巨匠・篠山紀信氏が撮り下ろした写真集『Guy(ガイ)』の出版でした。
当時の宝塚の現役トップスターとしては異例中の異例となる、素顔に近いナチュラルメイクや、男役の枠を超えたセンシティブかつスタイリッシュなカットは、舞台芸術界に激震を走らせました。男装の麗人という記号にとどまらない、一人の人間・表現者としての圧倒的な色気と美貌がフィルムに焼き付けられており、現在ネット上に残る宝塚時代の写真を見ても、全く色褪せない普遍的な美しさを放っています。
さらに1998年には、つんく♂氏プロデュースによる日本武道館での単独ソロコンサートを宝塚史上初めて開催。巨大なアリーナを熱狂の渦に巻き込み、宝塚の新たな可能性を切り拓いたまま、惜しまれつつ劇団の扉を閉じました。