ヨークシン編から長い沈黙を経て、コミックス34巻・第357話で描かれたシャルナークとコルトピの脱落は、読者コミュニティに計り知れない衝撃を与えました。この惨劇の引き金を引いたのは、天空闘技場で行われた「クロロ対ヒソカ」のデスマッチです。
クロロはヒソカを100%確実に仕留めるため、綿密な舞台設定と周到な準備を行いました。その準備の中核を成していたのが、団員であるシャルナークの「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」とコルトピの「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」を自らの「盗賊の極意(スキルハンター)」で一時的に借り受けるという戦略でした。観客を巻き込んだ無数の人形爆弾と洗脳工作により、ヒソカは肉体を粉砕されて完全な敗北を喫します。
しかし、死後強まる念によって奇跡的な蘇生を果たしたヒソカは、ある決定的な境地へと至ります。それは「相手が望む舞台で、万全の準備を整えさせてから戦う」というこれまでの愉悦主義を完全に放棄することでした。復活直後、マチを拘束したヒソカは冷酷に告げます。
「今からどこで誰と遭っても その場で殺すまで闘ることにするよ」
ヒソカの標的となったのは、クロロに能力を貸し出したまま携帯電話の返却を待っていた無能力状態の二人でした。公衆便所に入ったコルトピは抵抗の余地すらなく首を跳ね飛ばされ、外で待機していたシャルナークは、コルトピの生首を抱えて現れたヒソカに恐慌をきたします。携帯電話を所持せず自らを強化する「自動操作モード」も使えないシャルナークは、一瞬のうちにヒソカに撲殺されました。
公園のブランコに縛り付けられたシャルナークの遺体と、足元に転がされたコルトピの頭部。群がるカラスの群れが描かれたその見開きページは、ヒソカがもはや対等な決闘者ではなく、徹底的な殲滅を狙う「冷徹な捕食者」へと変貌を遂げた事実を証明していました。