顧問税理士が逮捕された際、最大の被害者となる可能性があるのが契約先の法人や個人事業主です。担当税理士が刑事事件で摘発されると、その税理士が過去に関与した全クライアントの申告データが、国税当局の「要注意リスト」に登録されるからです。
逮捕を皮切りに、管轄の税務署による厳格な税務調査が入る可能性は極めて高くなります。仮に経営者側が「税理士にすべて任せていた」「違法な処理とは知らなかった」と主張しても、申告書の提出義務と納税責任は納税者本人にあります。税理士の指示による不正経理であったとしても、法的な免責理由にはなりません。
虚偽申告や所得隠しと認定されれば、本税の納付に加えて最大40%にのぼる重加算税や延滞税が課され、多額の追徴課税を一括で納付する事態に追い込まれます。さらに、顧問税理士を失った企業は急遽新たな引き継ぎ先を探さなければならず、決算申告の遅延や取引先からの信用失墜など、事業継続そのものを揺るがす甚大な影響を被ります。