なぜ本来は病院の手術室でしか扱われないはずの麻酔薬が、私邸のベッドサイドで投与されていたのか。その背景には、長年にわたってマイケルを苦しめていた重度のマイケルジャクソン不眠症と、復帰へのプレッシャーが存在します。
当時、マイケルはロンドン・O2アリーナで開催予定だった全50公演の大規模カムバックツアーディスイズイット公演(THIS IS IT)のリハーサルに追われていました。完璧主義者として知られる彼は、体力の限界を超えてダンスや演出の細部にこだわり、夜になっても神経が高ぶって全く眠れない状態に陥っていたと側近やスタッフが証言しています。
自然な睡眠を得られなくなったマイケルは、睡眠薬としてプロポフォールを渇望するようになり、それを「ミルク」と呼んで依存していきました。肉体的・精神的な疲労が極限に達する中で行われた危険な投薬が、急逝の真相へと直結してしまったのです。