事件の現場となったのは、スペイン北部カスティーリャ・イ・レオン州にある古都パレンシアの中心街、マヨール通りに佇む歴史ある銀行の建物です。1923年に建てられたこの美しい建築物のファサード(正面外壁)には、かつて優雅で繊細な表情を浮かべる天使や女性の浮彫彫刻が施されていました。
しかし、経年劣化によって一部が欠損していた彫刻の修復工事が行われた結果、姿を現したのは人々の目を疑わせる異様な造形でした。滑らかだった顔の起伏面は不自然に平らにつぶされ、丸く窪んだ両目と歪んだ唇が適当に貼り付けられたような、まるで「子供が作った粘土細工」のような姿に成り果てていたのです。
この異変を最初に告発したのは、地元パレンシア在住の画家・彫刻家であるアントニオ・グスマン・カペル氏でした。同氏がSNS上に「まるで漫画のキャラクターだ」「パレンシアの誇るべき遺産が台無しにされた」と怒りの投稿を行ったことで、ニュースは瞬く間に国境を越えて拡散することになりました。