『SSSS.GRIDMAN』のキャラクターデザインを担当した坂本勝氏の設計思想には、アニメ的デフォルメと実写的なフェティシズムの絶妙なバランス感覚が宿っています。雨宮哲監督とのタッグによって生み出された新条アカネの造形は、徹底的に「リアルな女子の生っぽさ」を追求して構築されました。
当時のインタビューやメイキング資料によると、アカネのデザインは「だらしなさと可愛さの同居」を強く意識して描かれています。整髪料を使わずに少しボサついた毛先、やや猫背な姿勢、ヘッドホンを首にかけたアンニュイな佇まいなど、記号的な美少女像から意図的に外されたディテールが散りばめられています。この生々しい生活感があるからこそ、ふとした瞬間に見せる上目遣いや、ベッドの上で足をバタつかせる仕草が強烈なエロティシズムとして機能するのです。
もう一つの決定打となったのが、対照的なヒロインである宝多六花との視覚的コントラストです。六花がタイトなカーディガンにミニスカート、健康的な下半身のボリュームで現実的なリアリティを放つのに対し、アカネはふんわりとしたトップスに華奢な上半身、そして予想外の肉付きを持つ太ももというメリハリで魅了します。正反対のフェティシズムを提示されたことで、ファンの間では「六花派かアカネ派か」という熱い議論が巻き起こり、コンテンツ全体の求心力を跳ね上げました。