美術作品だけでなく、建物そのものが一つの巨大な芸術作品である点も見逃せません。岩手県立美術館の建築設計を手掛けたのは、環境建築の第一人者である建築家・仙田満氏(環境デザイン研究所)です。優れた公共建築として高い評価を受け、第59回日本芸術院賞を受賞しています。
館内に足を踏み入れると、木とガラス、コンクリートが織りなす「グランド・ホワイエ」の大空間が広がり、天井のスリットから柔らかな自然光が降り注ぎます。エントランスから展示室へと続くアプローチは大階段とスロープで優美につながり、窓外には盛岡市中央公園の豊かな緑と、天気の良い日には雄大な岩手山の姿を望むことができます。空間を歩くだけで心が解き放たれるような、贅沢な開放感を味わえます。