ネット上の情報では「かまぼこ板は何でも作れる万能木材」と過度に美化されがちですが、素材としての物理的限界を正しく把握しておく必要があります。誤った認識のまま加工を進めると、怪我や道具の破損を招く恐れがあります。
最大の誤解は、「釘や木ネジをそのまま打ち込める」という思い込みです。かまぼこ板の標準的な厚みは約10ミリから13ミリ程度と非常に薄く、乾燥した天然木特有の強い繊維束を持っています。この薄板に対してキリやピンバイスによる「下穴」を開けずに直接釘を打ち込むと、ほぼ100%の確率で木目に沿って縦にパッカーンと割れてしまいます。ネジ留めを行う際は、必ずネジ径の70%程度の下穴をあらかじめ穿孔するのが鉄則です。
また、「ノコギリならどの方向からでも簡単に切れる」というのも誤りです。木目に平行に刃を入れる「縦引き」と、直交して切る「横引き」では、刃の噛みやすさと抵抗が全く異なります。子どもの力で繊維を断ち切る横引きを行う場合、一般的な両刃ノコギリでは刃が引っかかりやすく危険です。ホビー用のレザーソーやクラフト用の細工用ノコギリを用意することが、怪我を防ぎきれいな切断面を得るための近道です。