「東京から大阪まで寝台列車で一本で行きたい」——そう願って時刻表を開いた人は、まずひとつの不可解なダイヤに直面する。現在、日本で唯一定期運行を続ける寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」。この列車で使われている285系直流特急形電車は、JR東海(東海旅客鉄道株式会社)とJR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)が共同開発した名車だが、実は下り列車(東京発)は大阪駅に停車しない。
深夜に東京を出た下りサンライズは、夜明け前の大阪駅を静かに通過し、最初の客扱い停車駅は兵庫県の姫路駅(午前5時25分着)となる。一方、上り列車(高松・出雲市発東京行き)は午前0時34分に大阪駅を出発し、翌朝7時8分に東京駅へ滑り込む。つまり、東京から大阪への直通夜行便は存在せず、大阪から東京への片道だけが直通利用できるという変則的な運用になっているのが現在の姿だ。