糸島を訪れる観光客が陥りがちな典型的な誤解が、「海沿いでロケーションが良い店ほど魚が美味い」という先入観です。
飲食ビジネスの構造上、海岸線の一等地に構える店舗は土地代や設備投資、テラス席の維持費が重くのしかかります。そのため、提供される海鮮丼の価格構成において「景観プレミアム(場所代)」の比率が高くなる傾向は否定できません。もちろん、絶景を眺めながら味わう食事は代えがたい体験ですが、純粋な「魚の鮮度・質・原価率」のみを比較した場合、幹線道路沿いや漁協直営の施設、あるいは昔ながらの活魚刺身定食を提供する老舗料理店に軍配が上がるケースが多々あります。
また、ネット上で過剰に拡散された「桶から零れ落ちる海鮮」のビジュアルに惹かれて訪れたものの、器が小ぶりで実際には成人男性にとってボリューム不足だったというギャップ報告も散見されます。器の口径や盛り付けの錯視を利用した演出に惑わされず、どの魚種がどれだけの厚みで盛られているかを見極めるリテラシーが求められます。