王嘉尔の表現力を語る上で欠かせないのが、超一流のアスリートとして培われた身体能力と、国際色豊かなマルチリンガルとしてのバックボーンです。まずは基本的なプロフィールと現在地を整理します。
王嘉尔の父親は元香港フェンシング代表監督の王鋭基氏、母親は体操中国代表として世界選手権メダリストの周平氏という、正真正銘のトップアスリート一家に育ちました。彼自身も幼少期からサーブル競技を始め、アジアジュニア・カデフェンシング選手権で個人優勝を果たすなど、将来の五輪金メダル候補として嘱望されていました。
しかし、2010年12月に香港のアメリカンスクールでJYPエンターテインメントのスカウトを受けたことで人生が激変します。父親からは「アジアで1番になれたら渡韓を許す」という極めて高いハードルを課されましたが、それを有言実行でクリア。名門スタンフォード大学からのスポーツ推薦奨学金と、2012年ロンドン五輪への出場権争いをすべて手放し、単身ソウルへ渡った決断力は業界内でも伝説として語り継がれています。