ジョジョのコスプレ史を語る上で欠かせない転換点となったのが、セレブリティ・叶姉妹による一連の本格披露です。中でも叶美香ジョジョコスプレの真相は、単なるタレントの余興や企画モノとは次元を異にするものでした。
美香氏がこれまで公開したトリッシュ・ウナ、ブローノ・ブチャラティ、ジョルノ・ジョバァーナなどの再現について、自身の公式ブログや特番のロングインタビューで明かされたのは、「姉・恭子氏の熱烈な原作愛と、作品に対する神聖なまでの敬意」でした。衣装やメイクのディレクションは恭子氏が徹底的に監修し、ミリ単位のリップラインの太さ、ポージング時の肋骨の見え方に至るまで一切の妥協を排して撮影が行われたことが語られています。
ネット上では当初、「タレントの話題作りではないか」という冷ややかな見方も一部に存在しました。しかし、公開されたビジュアルは、漫画からそのまま肉体を得て降臨したかのような完璧なプロポーションと劇画メイクの調和を見せ、瞬く間に原作ファンを熱狂の渦へと巻き込みました。この出来事は、「どれほど知名度があっても、原作への深いリスペクトと圧倒的な肉体美学が伴わなければファンの心は動かない」というコスプレ文化の本質を広く社会に示す結果となりました。
一方、ファンの間でもう一つの大きな挑戦として語り継がれているのがスタンドコスプレ自作の経緯です。人間キャラクター以上に非人間的なフォルムを持つ「スタンド」をいかに表現するか。かつてはタイツに簡単な模様を描く程度だった表現が、造形素材の進化(高密度EVAフォームやヒートガンによる熱成形技術の普及)に伴い、筋繊維の凹凸やメタリックな装甲を精密に再現したアーマースーツへと進化しました。本体(操縦者)とスタンドが並び立つ「1人2役」の合成写真や、ペアでの併せ撮影は、現代のジョジョ併せ(集団撮影)の華となっています。