民放局のビジネスモデルにおいて、スポンサー企業からの広告収入は生命線である。どれほど高い志を持ったジャーナリズムであっても、スポンサーの不利益になる報道や、広告主のブランドイメージを損なうような企画は忌避されやすい。制作現場では無意識のうちに自粛の心理が働き、特定のテーマに対する追及の手が緩む局面が生じかねない。
さらに、1分単位で計測される視聴率のデータは、番組制作陣に多大なプレッシャーを与える。地味だが重要な政策論争よりも、感情を煽るスキャンダルや対立構造をわかりやすく強調した企画の方が数字を取りやすい。この視聴率至上主義こそが、結果として複雑な社会問題を単純化し、偏った切り取り報道を生み出す温床となっている。