なぜ衣服は回転する熱風の中で縮んでしまうのか。原因は熱と水分、そして機械的な摩擦の掛け合わせにある。特にウールやシルクといった動物性繊維は、濡れた状態で熱と揉み作用が加わると、表面のスケール(鱗状の組織)が絡み合って不可逆的に固まってしまう。これが「フェルト化」と呼ばれる現象だ。
コットンや麻などの天然植物繊維も油断は禁物だ。糸の段階で引っぱられて伸びていた繊維が、水と熱によって弛緩し、元の長さに戻ろうとする「膨潤収縮」が起こる。ポリエステルやナイロンをはじめとする合成繊維は比較的熱に強いとされるが、耐熱温度を超えると熱変形を起こす危険性があるため、最新の衣類ケアガイドに基づいた素材別の扱いが欠かせない。