歴史的に、インドの国旗はガンディーが提唱した手紡ぎ・手織りの綿布「カディ(Khadi)」で作られることが法律で厳格に定められていた。大英帝国の工業製品に対する不買運動と自立の象徴だったからだ。
しかし、近年の国民的キャンペーン「Har Ghar Tiranga(すべての家に国旗を)」に伴い、大量生産が可能なポリエステル製国旗の流通が解禁された。伝統主義者からは「魂が失われた」という猛反発が起き、一方で若者やビジネス層からは「手軽に敬意を表せる」と歓迎の声が上がる。職人が手仕事で織り上げる本物のカディ製国旗の価値が再評価されるなど、伝統と現代化の摩擦が最も色濃く現れる分野でもある。