「頭皮に良い」と信じて使ったはずのホホバオイルでフケが悪化する理由には、頭皮に生息する常在菌とオイルの性質が深く関係しています。ホホバオイルは厳密には油分ではなく「液状ワックスエステル」に分類され、酸化しにくく皮脂バランスを整える優れた特性を持っています。しかし、塗布する頭皮の状態を誤ると、一転してトラブルの引き金になりかねません。
最大の落とし穴となるのが、マラセチア菌がフケの原因となっているケースです。マラセチア菌は誰の頭皮にも存在するカビ(真菌)の一種ですが、過剰な皮脂や残留した油分をエサにして急激に増殖します。増殖時に分泌される遊離脂肪酸が頭皮を刺激し、ターンオーバーを異常に早めることで大量のフケやかゆみを生み出す仕組みです。
さらに、オイルを頭皮に残したまま不十分なシャンプーで済ませてしまうと、古い角質と混ざり合って毛穴を塞ぎます。これがホホバオイルでフケが逆効果になってしまう決定的なメカニズムです。保湿のつもりで与えた油分が、菌の温床となって炎症を加速させてしまう現実を把握しておく必要があります。