1998年7月に発生した和歌山毒物カレー事件は、夏祭りで提供されたカレーライスに毒物が混入され、児童を含む4人が死亡、67人が急性中毒に苦しむという惨劇となった。平和な住宅街を一瞬にして地獄に変えたこの事件は、日本社会に底知れぬ恐怖と人間不信を植え付けた。
容疑者として母・林真須美が逮捕された瞬間から、幼かった子供たちの平穏な暮らしは完全に打ち砕かれた。自宅への放火、連日のように押し寄せる報道陣、学校や施設での苛酷な差別。加害者家族というレッテルは、幼い兄弟姉妹に容赦なく重くのしかかり、その後の人生を狂わせることとなった。