主人公・葛城アタルを演じ切った市原隼人の存在感は、まさに圧巻の一言に尽きる。スターダストプロモーションに所属し、数々の話題作で泥臭くも力強いキャラクターを演じてきた彼だが、本作で見せた感情の爆発と切ない眼差しは、役者としての真骨頂であった。
理不尽な宿命に翻弄されながらも、ただ娘に会いたい、命を救いたいという一心で疾走するアタル。その姿には、一人の父親としての純粋な愛と、人間としてのプライドが満ち溢れていた。全身全霊で役になりきり、傷つき泥にまみれながら叫ぶ彼の迫真の演技こそが、物語の核となる「愛の真相」を力強く説得力のあるものへと昇華させていたのだ。