城郭の歴史世界にどっぷりと浸かった後、大手門から徒歩わずか数分の場所にある「ひろめ市場」へと足を延ばすのが、高知観光の黄金ルートだ。巨大な屋台村のような店内には、名物のカツオのたたきを藁焼きにする豪快な炎が立ち上り、昼間から地元客と旅行者が杯を交わす熱気に満ちあふれている。
塩たたきを口に含み、キリッとした土佐の日本酒を流し込む。隣り合わせた地元の人々と城の歴史や土佐人の気質について語り合う時間は、ガイドブックの字面だけでは絶対に味わえない旅の醍醐味だ。歴史遺構の静謐さと、城下町が育んだ酒食文化の圧倒的な動性が隣り合わせに存在する構造こそが、旅人の心を掴んで離さない最大の魅力といえるだろう。