学術的な観点から捉えると、一般に親しまれているこの樹種の標準和名はイヌマキ(Podocarpus macrophyllus)である。マキ科マキ属の針葉樹であり、自生地では海岸近くの暖地に群生することが多い。世界的な植物名鑑にもその記載が見られ、学名の「Podocarpus」は「柄のある種子」を意味する。
高知県立牧野植物園に保管されている膨大な植物標本や資料群の中にも、日本の野生植物を精緻に分類した牧野富太郎による記録が残されている。彼が残した克明な植物画は、イヌマキ(Podocarpus macrophyllus)が持つ独特の雌雄異株の構造や、緑色の種子と赤く熟す花床のユニークなコントラストを鮮明に伝えており、今日でもボタニカル研究者や植物ファンを魅了し続けている。