アジサイの花色に関しては、ネット上で様々な裏ワザや都市伝説が飛び交っていますが、科学的根拠に基づいた正しい理解が欠かせません。
白い紫陽花の色が変わらない理由
「白いアジサイも酸性土壌に植えれば青くなるのか?」という疑問を抱く人がいますが、結論から言えば土壌のpHをいくら変えても白いアジサイが青や赤に変わることはありません。
人気品種「アナベル」や「白寿」などの白花種は、花びらの中にアントシアニン色素そのものを合成する遺伝的設計図を持っていません。発色するための色素が存在しない以上、アルミニウムがいくら結合しようとも色は純白のままです。なお、開花初期の淡い緑色から白へ、そして開花終盤に再びくすんだ緑(秋色アジサイ)へ変化するのは、葉緑素(クロロフィル)の増減や老化によるものであり、土壌pHとは無関係です。
紫陽花にミョウバンを与える効果と時期
「アジサイにミョウバンをやると青くなる」という手法は、科学的に極めて理にかなった裏ワザです。スーパーの漬物用コーナーで売られている「焼きミョウバン」の主成分は「硫酸アルミニウムカリウム」であり、水に溶かすと強い酸性を示し、かつアジサイが最も必要とするアルミニウムイオンを直接供給できるためです。
- 希釈濃度:水1リットルに対して焼きミョウバン1〜2g(約500〜1,000倍希釈)。
- 施用の最適時期:花芽が形成され成長を始める3月下旬から5月中旬にかけて。2週間に1回程度、水やり代わりに株元へ与えます。
- 注意点:開花直前に与えても色素結合が間に合わず効果は薄いほか、濃度が濃すぎると根焼けを起こして枯れる原因になります。
紫陽花の花色がくすむ原因と対策
「青でも赤でもない、灰色がかった濁った紫色になってしまう」現象の主因は、中途半端な土壌pH(pH 5.8〜6.3付近)にあります。アルミニウムが中途半端に溶け出し、一部のアントシアニンだけが結合して赤と青が混ざり合ってしまうためです。
また、「肥料成分のアンバランス」も見逃せません。リン酸(P)成分は土中でアルミニウムと結合して不溶化させる性質があります。青くしたい株にリン酸過多の肥料を与えるとアルミニウムが吸えなくなり色がくすみます。逆に、赤くしたい株には骨粉や油かすなどリン酸分が多めの肥料を施すことで、アルミニウムの吸収をブロックし鮮烈な赤を際立たせることができます。