激しいバッシングに晒されながらも作品の空気が一変したのは、主要キャスト陣が見せた圧倒的な演技力とリアリティでした。清純派のイメージが定着していた有村架純が、自分の未熟さと恋心の間で激しく揺れ動き、破滅へと向かっていく末永聖の脆さを体当たりで熱演。聖を決して「無垢な被害者」にも「身勝手な加害者」にも描かず、罪悪感に押しつぶされそうな等身大の弱さを表現したことで、視聴者の共感を引き寄せました。
そして何より、約1年間に及ぶオーディションを勝ち抜いて抜擢された新人・岡田健史(現・水上恒司)の存在感が作品の運命を決定づけました。演技経験ゼロでありながら、黒岩晶という思春期特有の衝動性と純粋さを奇跡的な透明感で体現。不器用で真っ直ぐな瞳の輝きは、視聴者に「嫌悪感」を超えた「切なさ」を抱かせる強力な説得力となったのです。
町田啓太が演じた完璧な婚約者・川合勝太郎や、吉田羊演じる自立した女性上司・原口律、そして夏川結衣演じる晶の母親・愛子の鬼気迫る演技も見事でした。周囲の大人が聖と晶の恋を徹底的に糾弾し、現実的なペナルティを与える構図がしっかりと描かれたことで、ドラマが禁断愛を無責任に肯定しているわけではないという姿勢が視聴者に伝わっていきました。