生類憐れみの令は天下の悪法か名法か?蚊で死刑の嘘と綱吉の真実

生類憐れみの令は天下の悪法か名法か?蚊で死刑の嘘と綱吉の真実

生類憐れみの令は天下の悪法か名法か?蚊で死刑の嘘と綱吉の真実についての最新情報をお届けします。

生類憐れみの令といえば、「部屋に入ってきた蚊を叩き潰しただけで島流しになった」「スズメを吹き矢で撃った子供の親が死刑になった」といった苛烈な刑罰の噂が独り歩きしています。

当時の幕府記録や判例集を精査すると、処罰の実態は巷のイメージとは大きくかけ離れていました。

24年間の運用期間中、生類憐れみの令違反で処罰された記録は全土で数百件程度にとどまります。しかも、厳罰(死刑や流罪)に処されたケースの大半は、以下のような悪質な事例に限られていました。

・禁令を公然と無視して犬を大量虐殺し、肉を密売した犯罪グループ
・将軍の命令に従わず、意図的に犬を斬り殺して反抗の意思を示した旗本・御家人
・捨て子の養育義務を放棄して遺棄・死亡させた者

庶民が過失で犬を傷つけた場合などは、町役人への始末書提出や過料(罰金)程度で済むのが通例でした。「蚊を殺して処刑」といったエピソードは、綱吉の死後に政敵や儒学者(新井白石ら)が前政権を批判するために誇張して書き残した『三王外記』などの記述が、講談や歌舞伎を通じて定着したフェイクニュースです。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。