形式論に惑わされがちな現代において、神社本庁が常に説くのは「感謝の念を日常の中で捧げる」という極めて純粋な神道の原点だ。仰々しい祭壇を用意することよりも、家族が毎朝無理なく清らかな水を取り替え、頭を垂れることができる環境こそが尊ばれる。
宮型の配置にも明確な序列がある。三社造りの場合、中央には日本の総氏神である伊勢神宮の天照大御神を祀る神宮大麻を納め、向かって右に地域の産土神である氏神神社、左に崇敬する神社の神札を収めるのが基本構造だ。スペースの限られた一社造りであれば、手前から天照大御神、氏神神社、崇敬神社の順に重ねて納める。
ここで重要なのは、神棚とは超自然的な力で願いを叶えるための装置ではなく、自らを律し、無事であることに感謝を捧げるアンカーであるという認識だ。神聖な場を生活動線に抱くことは、乱雑になりがちな思考をリセットする確固たる基準点を部屋の中に持つことを意味する。