需要が爆発すれば、当然ながら悪質な影も差す。現在、フリマアプリや非正規ルートには極めて精巧に作られたスーパーコピー品が紛れ込んでおり、被害が後を絶たない。プロの鑑定士が指摘する判別の要は、一見しただけでは見落としがちな微細なディテールにある。
第一に見るべきは、オーブ(ORB)の十字架部分とサターン(環)の溶接精度だ。正規品は継ぎ目が極めて滑らかに研磨されているのに対し、偽物はメッキにムラがあり、十字のプロポーションがわずかに歪んでいる。さらに、がま口財布の金具を開閉した際の「音」と「硬さ」も見逃せない。正規品は重厚感のある澄んだクリック音を響かせるが、模倣品は金属が擦れ合うような頼りない感触を残す。内側のライニングに刻まれたブランドネームのフォント間隔や、革の断面(コバ)の塗り処理の粗さにも決定的な差異が現れる。