母体であるオリオンビール株式会社が培ってきたブランド価値を、空間体験へと鮮やかに昇華させたのが運営を担うオリオンホテル株式会社の手腕だ。単なるハード面の改装にとどまらず、地元カルチャーの発信拠点としての役割を巧みに付加している。
激しさを増す国内のホテル・リゾート宿泊業において、差別化の鍵は「地域性への愛着」に尽きる。館内には沖縄の工芸やアートがさりげなく配置され、スタッフの飾らないホスピタリティが滞在に深みを与える。ビールという沖縄の生活文化そのものを核に据えたこのブランディングは、均質化しがちな都市型ホテルへの鮮烈なアンチテーゼと言えるだろう。