単なる空腹と甘く見ていると、手遅れになりかねない疾患が存在します。特に臨床現場で頻繁に遭遇する代表格が「急性膵炎」と「消化管内異物(誤飲)」です。
1. 激しい腹痛と脱水を伴う「急性膵炎」
高脂肪の食事やおやつ(ジャーキー、人間の食べ残しなど)を摂取した後に発症しやすい病気です。膵臓が自己消化を起こして激しい炎症を生じ、激痛から犬が「祈りのポーズ(前足を伸ばして胸を床につけ、お尻を高く上げる姿勢)」をとることがあります。黄色い液体だけでなく下痢や発熱を伴い、無治療のまま放置すると播種性血管内凝固症候群(DIC)などを引き起こし多臓器不全で命を落とす危険があります。
2. 腸閉塞を引き起こす「異物誤飲」
おもちゃの破片、ペットボトルのキャップ、靴下、焼き鳥の竹串などを飲み込んでしまった場合、胃や十二指腸に異物が詰まり、激しい嘔吐反射が起きます。胃の内容物を出し切った後は、胆汁を含んだ黄色い泡だけを何度も吐き続ける状態に陥ります。完全閉塞を起こすと腸管が壊死するため、緊急開腹手術が必要となるケースも珍しくありません。