彼女の長いキャリアの中でも、映画『夜汽車』(1987年)での演技は今なお伝説として語り継がれている。宿命に翻弄されながらも愛に生きる主人公の情念を静かに、かつ圧倒的な熱量で演じきり、観客を深い感動の渦に巻き込んだ。
この作品での迫真の演技が高く評価され、彼女は第11回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。日本アカデミー賞協会の選考委員からも絶賛を浴び、名実ともに日本映画界の最前線に立つ頂点女優としてその地位を不動のものとした。スクリーン越しに放たれる目線ひとつ、吐息ひとつにまで役の感情が宿る表現力は、まさに唯一無二であった。